15

 始まりは終わりへの気配、終わりは始まりへの気配。
 僕の代償は、こうしてゆっくりと、だが確実にくり返し訪れる。

 一度カヲル君に眠りの気配があらわれると、それは急速に進んでいく。
 スプーンを落としてから4日後には、彼はものをちゃんと握れなくなっていた。それは手足の先から始まって、だんだんと彼の体を眠らせるよう準備していくのだ。




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